古代都市ツボクラ

よく食べ よく眠り よく考える,難ある男二人の備忘録

研究について

ざわです。博士課程に進学する事を決めてからほとんど一年になります。この一年で研究が、立案、実験、解析と進み、自分が納得できる程度の結果を得る事ができ研究の一つのサイクルが終わりました。この過程で思った事を書き記そうと思います。僕の研究分野は理系の基礎分野なので他分野の人にとっては全く違った話になるかもしれません。


研究がひと段落した所での感想は「思ったよりも楽しくない」でした。こう思った原因は僕の博士課程進学理由にあります。僕は勉強がしたくて博士課程に進みました。しかし勉強と研究は違うものでした。僕のいう勉強の意味は、新しい数理モデルを理解し、それを運用する事でした。簡単に言えば教科書を読んで理解し、問題集が解けるようになる事が僕にとっての勉強でした。しかし研究は教科書を作る作業に近いです。何が知られていないのかを調べ(専門用語がたくさん乗った英語で)、どうやったらそれを知ることができるかを調べ、知った内容がどの様な意味を持つかを提示する。そしてその積み重ねを基に誰かが数理モデルを構築し説明に成功する。絵画の上に乗った土埃を皆で丁寧に刷毛で掃いていき、誰かが俯瞰してそれが何の絵か気がつくイメージです。そして僕に出来たのは絵画の一区画を掃くことだけでした(掃けたのか?絵画を損傷させてないか?)。教科書にしたら一行程度のことしか出来てないんです。一年くらいかかったのに。

知識の習得という点では勉強は研究に比べて比較にならないぐらい効率が悪いです。研究するための技能はある程度習得出来たけど、知識が蓄積され賢くなった気はほとんどしません。勉強することを研究に期待していたのに勉強がほとんど出来なかったために「意外と楽しくない」と感じたのでした。


…あ、でも書いてて「教科書一行程度の研究ってまぁまぁ凄くない?それに次の研究では数理モデルの構築目指したらいいだけでは?」という気持ちになって来たのでもういいや。今回の踏まえて次のをやってみよう。研究トークまぁまぁ楽しいし、「君の研究面白いね」って言われた時の気分は中々いいし、自分だけが知ってるプレミア感もいい感じなのでなんとかやっていける気がして来た。


面白い研究が何かや、同級生との収入の格差、他研究者とのコミュニケーションの重要性、海外留学、バイタリティ、教授や研究室での人間関係、生活習慣などなど、まだ色々な問題や考え、悩みがありますがそれはまた今度書こうと思います。


きょうはここまで(笑)


書くの疲れちったよ。